オカメインコの皿巣
これまで巣箱の床材には無料で入手可能なムシロを使っていました。
しかしムシロは田舎の佐賀でも入手する事が次第に難しくなって来ました。
また、ムシロはテグス(ナイロン糸)で編んでいるものが殆どで、テグスがヒナの脚に絡まってしまいヒナの脚を切断する事例が時々ありました。
ヤシマットも悪くは無かったのですが、ランニングコストが掛かりコスト高になってしまいます。
そこで考えついたのがハトの巣に使っている皿巣です。
これは主に石こう製が多く使われていますが、石こうですとオカメインコがかじってしまいます。
陶器製の皿巣も販売されてはいましたが私が使っている巣箱には入り切れません。
そこで、佐賀県は有田焼で有名ですので有田の陶磁器販売店へ相談に行ったのですが価格面で折り合いがつかず諦めていました。ところがある日、長崎県からお見えになったお客さんが実は波佐見焼(佐賀の有田の県境にあり、この辺りでは有田・伊万里に匹敵する位有名な焼き物の産地)の社長さんでして、
「作って差し上げますよ」とのお話がありました。それが写真の皿巣です。
何やら良い土を使って1100℃で焼いてあり、一般的に家庭で使用する皿と同等に固いです。
この皿巣の底に2㎝位に広葉樹マット(アスペン)を敷きます。この秋以降はこれで行きます。
ここで皿巣を使うことに決めた理由を説明します。
①ムシロがダメならばムシロの代わりにアスペンを巣箱の底に直接敷き詰めたら良い訳ですが、
底面一面にアスペンを敷くとなれば相当量のアスペンが必要になりランニングコストがかさむ。
ここに皿巣を使用すれば少ない量のアスペンで済む。
②ムシロ等の床材をすり鉢状(湾曲型)にして巣を作ってあげますが、親鳥が床材をかじったりして形状を壊し次第に床材がフラットに近い状態になってしまいます。そしたら孵ったヒナが散らばってお互いの体温で暖が取れなくなって寒さで死んでしまう。オカメインコの親鳥はヒナが孵ってしまうと餌やりの時以外は巣箱に入らなくなる個体が大半で、11月下旬~4月上旬に掛けて外気温が冷え込んだ時にヒナが凍え死にます。1羽が死にますと冷たくなった死体がまだ生きているヒナの体温を奪い連鎖的にヒナが死んで行き、終いにはヒナが全滅します。
③そこで床材のすり鉢状の形状が変わらない為のものが皿巣です。これですとヒナが絶えず中心部に集まりますのでお互いの体温で暖が取れて例え親鳥が巣箱に入らなくても、ある程度の対策になります。